■負傷猫の引取り 4月から横浜市では、自活している猫の引き取りは廃止されましたが、負傷猫(重傷猫・中軽傷猫)の引取りは継続されます。平成16年度から20年度までの各年の引取り数は以下のとおりです。
負傷猫の引き取りには、重傷猫/7,053円・中軽傷猫/22.174円が委託獣医師に支払われています。内訳は、重傷猫は殆どが致死処分費用と思われます。 中軽傷猫は3日間の保管料が6,336円・差額は治療費であると福祉局より回答を得ています。治療して回復を目的としていると言うことです。 しかしながら、中軽傷猫のその後について、@致死か?A譲渡か?B返還か?の問いに対し3月10日付の、福祉局からの回答には、「中軽傷猫のその後の処分数(致死処分。譲渡等)については集計しておりません。」とありました。 この回答では、実際に治療を行ったかどうか確認も出来ず、殆どが致死処分になっていたと疑わざるを得ません 引取り時、持ち込み人が署名し、引取り獣医師が必要事項を記入すべき「念書」には、単に「中軽傷猫」の記載はありますが治療の内容を記載しているものは殆どありませんでした。 当然カルテも無いものと思われます。 市民の税金で行われている事業は必ずその本来の目的のために使われなければなりません。 22,174円と言う多額の治療費を受け取っていながら、治療内容も明らかにされず、このようにすべてが致死処分となる負傷猫の扱いは法律に照らしても税金の用途としても大変問題があります。 愛護センターがオープンすればこのような不適切な負傷猫の委託業務もなくなると思いますが、それまでの間は、他自治体の実例などを参考に即刻適切な対応が望まれます。 同じく負傷猫の治療を獣医師会に委託している富山市の例では、委託費は実費で支払われ、区役所の職員が立ち会って治療方法・その後の猫の扱いも発見者も交え相談しながら進めています。 ■負傷猫発見から治療後に至る処理方法の比較 (2市のホームページ、公式文書から) 1)負傷猫の発見者が区役所に通報した時 富山市: 原則、 担当職員が負傷動物の収容と応急処置の適否を判断し、指定動物に連絡・協議する。休日などで発見者が直接搬入する場合は、治療前に病院側から担当職員に連絡を取り、治療の適否について協議する 横浜市: 担当職員は負傷動物を確認しない。担当職員は病院と協議しない。 2) 猫の病院への搬入 富山市: 原則、担当職員が病院に搬入(休日、緊急時は発見者が搬入する場合も) 横浜市: 発見者が搬入(区職員の場合も) 3) 治療方針 富山市: 必ず担当職員が病状を指定病院獣医師と協議のうえ方針を決定する 横浜市: 市のチェック無し 4) 治療内容についての報告、審査 富山市: 治療を行った獣医師からの業務完了報告により請求内容が適正であるかどうかを確認の上、上限8330円の範囲で当該獣医師にお支払われる 横浜市: 市のチェック無し、治療内容について市は把握しない 5)治療費 富山市:上限1頭につき8330円の範囲 横浜市:一括22.174円 6) 使われなかった治療費の処理 富山市: 予算よりも支出額が下回った場合は毎年決算上で不用額(使わなかった予算)として整理し、市全体の収入・支出の差引残額の一部として次年度以降の市全体の予算の財源となる 横浜市: 不明 7) 治療後の処理 富山市: 治療後の猫は、返還及び発見者又は新しい飼い主で飼養することになる 横浜市:: 市は把握しない。すべて致死処分となっていると思われる
負傷猫治療にかかわる経費は猫の「返還・譲渡」という効果をあげるために市民が税金で負担しています。2市の比較から横浜市がいかにずさんな負傷猫治療の委託事業を行っているかが浮かび上がってきます。 どんな治療が行われ、どのような結果となったかの詳細な報告を受けて初めて、指定病院にその治療行為の対価として経費を支払うのが市民の税金を預かる行政の本来のあり方ではないでしょうか。 本年3月 委託獣医師の港南区M先生に交通事故と思われる猫が警官、発見者が運び込み、治療にはいりました。 3日を過ぎても治療を続け、希望者に譲渡しました。 4日目からは譲渡期間に入るとの環境省の見解に沿った対応だと思います。 発見者、譲渡希望者に費用の請求はありませんでした。 |