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「横浜市動物愛護センターの見守る会」として、これまでも愛護センター建設に伴う、横浜市の動物愛護行政の見直し・改善を求め、要望書を提出してまいりましたが、この度更に具体的な要望書(下記のとおり)を提出させていただきました。   


我々が特に重要課題として横浜市に申しれをしてきた、安易な猫の引き取り問題が、改善へ向けて大きく前進したことは大変喜ばしいことです。


愛護センターの運営に関する要望事項である、土日・祝祭日の開所に関しましても、検討中との事です。又、国の方針でもある、積極的な譲渡に対しての具体的取り組みも横浜市は殆ど行っておりませんでしたが、これについても積極的に取り組むことを確約してくださいました。


詳しいご報告は順次して行きたいと思っております。 


横浜市健康福祉局御中                平成221月 22 日

横浜市動物愛護センターのこれからを見守る会

                            代表 計良 孝子

                             045-432-1313 



横浜市動物愛護センター(仮称)についての要望書


前略、標記の件につきましてはお忙しい中、大変ご尽力いただいておりますことを心より御礼申し上げます。

当会発足以来、貴職からのご説明や現地見学会に加えて、他の動物保護団体、法律関係者の見解、他自治体の現況などを調査
いたしました。また、一般市民(市外も)の意見も広くアンケート調査を行っている市民グループもあり、その動向も踏まえて、
本日、当会として下記の事項を要望させていただく次第です。

何卒、ご検討くださるようお願い申し上げます。




  1. 横浜市動物愛護センター施設における公金による野良猫不妊手術

  2. 収容期間を6ヶ月以上とする

  3. 環境省収容動物検索サイトへの加入他、収容動物の有効な情報発信

  4. 協働ボランティアの公募(市内外、個人、団体)

  5. 土日祝日のオープン

  6. 引き取り業務の厳格化(猫については飼い主不明の負傷猫、野良猫の産

 んだ自立前の猫、飼い猫のみに限定し、犬猫共に飼い主持ち込みにも厳しい対応を※)


説明

1)横浜市動物愛護センター施設で公金による野良猫の不妊手術をしてください


       現在の助成金制度ではボランティアが無計画に行うため、横浜市全体の野良猫の苦情や環境悪化に対応できておりません。助成金制度も残しながら、一部をモデル事業として、市の公園や公共施設などの限定された場所で、ボランティアの協力も得やすい場所を選定し、記録をとりながら、野良猫のTNR(保護→不妊手術、→元の場所へ)を実施していただきたいと思います。

       京都市や長野県ですでに実施しておりますし、最新では270の公園をかかえ

る大阪市公園事務所が公金での不妊手術を検討しているとの新聞報道があり

ました。公衆衛生学的にも70%ルールと関連して、テキサス大学、ワシン

トン大学などの研究により、区域内70%以上の野良猫への不妊措置の必要性が広まっております。また、区域内70%以上の猫に不妊措置を行うのは、70%以上を安楽死させるより、猫の数を減少させると言われています。 愛護センターにTNR拠点病院としての機能も持たせ、計画性のある人道的な野良猫削減方法を市の保健衛生事業として行うために、野良猫の公金での不妊手術を要望いたします。モデル公園(または地区)でのボランティアと市とのコーディネートは愛護推進員などに依頼する方法があります。

        かなりの施術数が見込まれますので、これに先立ち、獣医師(常勤、非常勤)を公募してください。公募は横浜市獣医師会員、非会員、市内、市外の獣医師全てを対象とし、愛護精神に富み、獣医師の公益性を自覚できる人物を選定していただきたいと思います。


2)収容犬猫の収容期間延長


        当初、当会は少なくとも6ヶ月以上収容していただくことを要望していました。しかしながら、過日「真に動物を守る法律へ」(2011動物愛護管理法見直しに向けて)のシンポジウムで、松野頼久官房副長官は「今の法律でも動物愛護センターや、保健所の収容施設に2年でも犬を保護することができる」と言われました。

このことをふまえますと、6ヶ月収容したあとは即殺処分するのではなく、

状況が許す限り長期に収容することをお約束いただきたく要望いたします。


3)収容犬猫の有効な情報発信


  インターネットを駆使しての情報提供は有効な手段ですが、ネット環境にない市民も多いのが現状です。オーストリアではテレビの国営放送や新聞で収容動物の情報が発信され、里親の募集もかかります。埼玉県では一匹でも多く飼い主に返し、殺処分の削減につなげたいとしてパソコンがなくても、電話一本で県内の迷子ペットがすべて調べられる新システムを導入しています。横浜市の実情にあった有効な情報発信手段を真剣に検討し、実現していただきたいと思います。


  以前、横浜市蓄犬センターでは『ガンバの叫び』といわれる悲しい事件があり、日本中の多くの人の記憶に深く刻まれています。ガンバ事件が契機となり環境省は収容動物検索サイトを日本動物福祉協会に作らせました。当事者の横浜市は残念ながらこのサイトに加入していません。ちなみに、東京都、川崎市は加入しています。まずこのサイトに加入するべきです。(横浜市にはサイト政策を環境省に委託された日本動物福祉協会の支部長と理事がいますが、現在に至るまで、横浜市に対し収容動物に生きるチャンスを与えるサイトへの加入を促さなかったことは大変遺憾に思います。)松野官房副長官も国会でこの問題に言及されています。

4)協働ボランティアの公募


  人数の確保も大事ですが、横浜市動物愛護センターでは収容動物を生かすために真摯に取り組もうというボランティアの資質も問題になります。

  より多くの有能なボランティアを確保するためには、横浜市内、市外、近隣都市からも団体、個人に関らず公募するべきであると思います。



開所 
   5)開所日


  現段階では土曜日、日曜日、祝日は閉所とのことですが、それでは、学校や会社のある人は行くことができません。迷子犬猫を捜しに来る人、里親になりたい家族の便宜を図るため、土日祝日こそオープンしていただきたいと思います。(平日参加できるボランティアも少ないと思われます)

 できるだけ多くの人に来てもらうことが譲渡(救命)につながるのは申し上げるまでもないことです。

  


6)殺処分を減らすための引き取りの厳格化

  

  横浜方式といわれる指定獣医による猫の引き取り処分システムには問題が多すぎることが指摘され続けています。事実、法に抵触する可能性を危惧する法律家も少なくありません。このシステムが終焉を迎えると、センターに犬も猫も収容されることになります。引き取りを減らすことが、処分を減らすことに直結するため、多くの自治体が引き取りに厳しい制約を設けています。

猫について言えば、負傷猫、明らかに生み捨てられている生後間もない幼猫の引き取りは保護の立場から必要ですが、野良猫らしき猫は飼い主がいる場合もあり、また飼い主がいなくても地域猫として生きる道が盛んに提唱されています。飼い猫であっても飼い猫であることの証明は至難の業です。(現実に逗子市では苦情のでている野良猫は飼い猫と偽れば保健所へ持ち込み処分できると市民にアドバイスしていたことが判明しましたため、謝罪訂正の文書を公式ホームページに掲載し、今後、野良猫は共存政策で対応すると明言しました。飼い主であることの証明の難しさが露呈したケースです)いずれにせよ、猫の引き取りと処分には、容易に様々な罪科に問われる危険性があり、どの自治体でも『引き取らない』方向へ向かっております。収容数が減れば幼猫を保育することも、負傷猫を治療して譲渡することも可能になります。川崎市ではすでに乳のみ猫の譲渡も進んでおります。

何よりも、命の重さという観点に立ち、島根県健康福祉部ではホームページにて「動物であってもその命の尊厳は守られるべきものであり、単に猫を排除するだけではなく、適正飼養の普及啓発や野良猫への無責任な餌やりを無くすことなどの取り組みを続け、猫による環境被害の解決を図っていくことが大切です。」として、環境被害などで苦情が出ている野良猫の命も最大限守る努力をしています。環境被害などの苦情をかかえる市民によって容易に指定獣医に持ち込まれ、多くの野良猫(飼い主不明猫)が命を落としている横浜市の現状に一石を投じる文言であると思います


法の解釈により運用面で自治体間で相違がありますが、基本的には他自治体が行っていることは横浜市でも行うことができるはずでありますので、その点、国の方針に沿って生存の機会を与えるために法を運用していただきますようお願い申し上げます。


尚、この引取りの問題につきましては、大事な問題でありますので、別途 詳細に要望を出させていただきますが、横浜市としても、十分に再考されることを希望いたします。

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速報!

横浜市、「自立している飼い主不明猫は引き取らない」方向へ 

     「横浜方式猫引き取り制度」も撤廃か?

 

  ※皆さんの声が横浜市行政に届き始めました。

  ※横浜市議・太田正孝先生が粘り強く当局を指導してくださっています。

 

当会はかねてより「横浜方式」(註)といわれる、横浜市独自の猫引き取り制度の見直しを求め、数回にわたり横浜市当局との話し合いの機会を設けて頂いておりました。

  (註)「横浜方式」・・横浜市では猫の引き取りと殺処分は横浜市獣医師会の指定病院に委託しています。猫1匹につき殺処分代約1万円が報酬として支払われます。これにより、年間約3000匹が約3000万円の税金を使って殺処分されています。横浜市は今、莫大な税金をつぎ込んで横浜市動物愛護センターを建設しています。センターのあり方にも大きな影響を及ぼしかねないこの制度には多くの批判や疑問の声が高まっていました。 ちなみに、神奈川県内で健康な飼い主不明猫を市民が持ち込めるのは横浜市だけとなっています。横浜方式は飼い主不明猫の不適切な持ち込みの温床となっています。(つまり迷惑な野良猫を持ち込み処分するシステム)

本日平成22123日(金)当会代表が健康福祉局職員の方々との話し合いの席上、以下のようなコメントを頂きましたのでご報告いたします。

Y(健康福祉局係長)  これからの横浜市における猫の引き取りは慎重に行わなければならないとの考え方から、局内で方向性を探ってきましたが、他自治体の取り組みなども参考にし、今後は「自立している、飼い主がいるかもしれない猫は引き取らない」という方向で検討しています。(註)

   (註)    当会は横浜市の猫引き取り制度が、いかに前近代的で、法的にも危険性を伴う恐れもあることを、再三再四当局にお話してきました。多くの自治体の実例も提出し見直しを求めてまいりました。 これに対し以前の対応とは違い「今後は引き取りは慎重にやって行かなければいけないと考えています」との回答も頂いておりましたので、「横浜方式」の撤廃を前向きに検討されるであろうという感触は得ていました。今回は、課長様みずから「横浜方式」撤廃に向けて検討している旨の発言をしていただきましたので、大変な前進といえます。

 M(見守る会) いわゆる野良猫と言われる猫たちも対象ですか?

Y        はぁ 

M       一見、野良猫に見えても餌も与えられ外飼いなどで管理されている猫もいるわけですから。                                                                                         野良猫も対象になりますよね。つまり引き取れないと言うことですよね。

Y       そうですね。野良猫も入りますね。

M       ところで、これまで何十回もその危険性について申し上げてきた例の「念書」(註)はどうなりなすか? ほとんど必要なくなりますね?

           (註)「念書」とは飼い主不明猫を持ち込む時に持ち込み者が提出する書類のことだが、飼い主がいない猫であることを持ち込み者が証言する形式となっている。万が一、持ち込んだ猫に飼い主がいれば、持ち込んだ市民が様々な罪(例、窃盗、器物破損、横領など)に問われる可能性のある大変問題のある文書である 

Y      「念書」という文書でなく別の名称になり、内容も変わります。それに明らかにダンボールに入れられて遺棄されたと思われる生後間もない子猫や負傷猫などは引き取らなければならないので、念書的な役割の文書は必要ですから・・・

M      飼い主が生ませてしまった子猫と偽って引き取りを依頼に来るケースもあるのだから一概にダンボール猫が遺棄とは限らないし、どうやってそれを証明させますか?

Y      今後は身分証明書の提示(註)を徹底します。それと母猫がいる場合は不妊手術の指導もします。

          (註)これも当会が何度も申し入れ済み。厳密にはこれでも不十分。

M      「念書」の持つ意味というか、虚偽の申請で引き取りを依頼した場合の罰則等についての説明はどこで行われますか?

Y      区役所の窓口です。

M      現在は各保健所毎、及び担当職員によって、指導や説明に非常にばらつきがあり、問題です。徹底して頂けますか?

Y      そうします。

M      出来ましたら、文書でこの内容をいただけませんか?

Y      現在は、まだ「案」の段階なのでそれは・・・・

 

環境省の方針に沿って引き取りを減らし譲渡を積極的に進めている自治体が日に日に増えています。長年にわたる多くの方々の熱心な声に応えて横浜市もようやく変わろうとしています。真剣にご検討いただいている横浜市担当職員の皆様には心から感謝申し上げます。

現在、神奈川県内で横浜市だけが飼い主不明の健康な猫を引き取っていますが、本日「自立している、飼い主がいるかもしれない猫(飼い主不明猫)は引き取らない」事を検討して下さっている事実が明らかになりました。

総工費39億円で建設中の横浜市動物愛護センターが、真に収容動物の命を救うセンターになるためには、まず引き取りを厳格にする必要があります。そのためには飼い主不明猫の不適切な引き取りや飼い主からの無責任な引き取りをやめなければなりません。

微力ながら当会はこれからも皆様と共にこの課題に全力で取り組んでまいります。

なお、この件につきまして、太田正孝市議が大変お忙しい中、私たちの声に熱心に耳を傾けてくださり、横浜市の動物愛護行政の推進のためにお骨折りいただいておりますことをお知らせ申し上げます。 



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